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  予防歯科

■虫歯菌と砂糖の共犯関係

では次に、3つの要因それぞれについて考えてみましょう。治療した歯が、何年かして再び悪くなってしまうのはどうしてでしょうか?それは仕方のないことでしょうか?そのときの歯科医の治療法に問題があったのでしょうか?これら3つの疑問点は、いずれもひと言では答えられない問題ですが、大変重要なものです。

そもそも虫歯になる最大の原因は、甘いものの食べすぎや食後の歯みがきを怠ったためではなく(それも一部原因といえますが)、虫歯菌が飲食物を利用して酸を作り、歯を溶かすことです。従って、虫歯の主犯は虫歯菌であり、この細菌が歯の周りにいなければいくら甘いものを食べても、また全然歯を磨かなくても虫歯にはならないのです。

一方、共犯である砂糖は3つの方法によって虫歯菌の活動を助けています。まず、虫歯菌は砂糖を原料としてべたべたした歯垢(プラーク)を作り出し、歯に密着してそこに安住します。鏡で口の中をのぞくと、歯と歯茎の間や歯と歯の間に白いのり状のものが見えると思いますが、それが歯垢です。歯の表面は硬くツルツルしたエナメル質からできており、食後の食べかすなどはお茶や水あるいは唾液によって洗い流されるため、本来口の中の細菌が棲むことはできません。ところが、虫歯菌だけは歯垢を作ることによって歯の表面に棲み付くことができ、水分や唾液で洗い流されず、また他の細菌におびやかされることもなく安住できるのです。こうして、虫歯菌は砂糖を栄養源として増殖し、砂糖を酸に変えることで歯を溶かして穴を開け、虫歯を作り上げてしまうのです。

 

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